生乳が私たちの食卓へ酪農にかかわるいろいろな人たち

酪農は農業の一つの分野で、農業は漁業や林業と同じ第一次産業です。自然に直接働きかけて食料や生活必需品を生み出す仕事です。そして酪農には当然ながら道具や、機械設備などが必要になってきます。そうしたものを作る製造業は第二次産業です。さらにその道具や機械を売る仕事、あるいは牛の病気を治したり飼料の販売をしたりする仕事があり、これらはすべてサービス業の第三次産業になっています。
牛乳の生産を支えているこうした産業がある一方で、今度は視点を牛乳に移してみると、生乳から牛乳や乳製品を作る第二次産業、流通や販売を行う第三次産業へと仕事はつながり、最後に牛乳を購入して飲む私たちへとつながっています。消費者の手に届いておいしいといってもらえるように、産業はつながっています。

輸入飼料がなければ経営ができない

私たちが消費する生乳の65%は、国内の酪農家が生産しています。卵は95%、肉類は55%が国産になっています。しかし家畜が食べている飼料の74%は輸入です。つまり畜産物の本当の自給率は、26%にとどまっています。もしも輸入飼料がなければ今は毎日のように食卓に上る牛乳や卵や肉は、単純計算で週に2日食べられるかどうかです。
輸入飼料の8割はトウモロコシなどの穀類の濃厚飼料で、アメリカやオーストラリアなどから輸入されています。しかし近年天候不順やバイオ燃料への利用、円安の影響などで濃厚飼料は値上がりを続けています。畜産農家は生産コストを抑えようと大規模化で効率を上げるほか、飼料用稲を栽培して果物などの搾りかす、食品の残りかすを利用するなど地道な努力で経営を支えています。

牛乳の生産にはいろいろな職種の人たちが携わります

牛乳を搾ってから私たちが購入するまでには、たくさんの人たちがかかわってきています。そしていろいろな職種の人たちが活躍しています。まず牛の飼料を販売する営業があります。これは飼料を販売するばかりでなくどんな飼料をどれぐらい与えたらいいのか、牧場経営者と相談しながら飼料の設計も行っています。牧場の経営コストに気配りする一方、で牛の健康にも目配りする牛の保健師のような存在です。獣医師や人工授精師など牧場を支えるプロチームの、核となることもあります。
牧場を支えているもっとも重要な仕事の一つが、獣医師です。家畜人工授精師の資格も兼ねていて診療、病気予防、繁殖から保健衛生まで仕事は幅が広くなっています。家畜の病気が多い牧場のために、生乳のデータを見ながら飼い方の見直しをしたり、飼料の内容を見たりするほか病気の傾向を検診で見ていきます。